どうして自分が謝らなければいけないかとかそんなのはもう関係なく、ただただこの行為を早く止めてほしく自然に言った言葉だった
すると、沢城くんの動きがピタッと止まり、やっと終わったかと思うと、彼はそそくさと何事もなかったかのように机下に置いてあった学生鞄を肩にかけた
「…それじゃあ、俺これから用事があるんで先に帰ります。先輩も帰り道には気を付けてください。それじゃあ月曜日に」
そう言って図書室から出ていく沢城くんの後姿をただ呆然と眺めることしか出来なかった
…いったい、何が起こった?
一人っきりになってしまった図書室でさっきまでのことを思い出してみたが、体中の熱が一気に顔に集まってきたのがわかる
わ、わたし…なんて破廉恥なことを…
思い出すのは指先に残る彼の体温と、まっすぐと見つめられる瞳
どうしよう、どうしよう
胸のドキドキが収まらない
どうして沢城くんはあんなことを・・・
それよりこんなことがあった後に、月曜日どうやって彼に顔を合わせればいいの!?
こんなこと一紀ちゃんにも相談できないよぉぉぉぉ!!!
園宮 ひなの 16歳
恋愛経験がまったくないわたしはこれからいったいどうやって沢城くんと接していけばいいのかがまったくわかりません