「はぁ、何言ってんの?!」
ひなのの言っている言葉の意味もわからず苛立った一人が声を上げる
だけど、ひなのはそれに屈することなく、真っ直ぐ、そいつを見上げる
「もし先輩方が、わたしが気に食わないという理由でわたしに危害を加えてもそれはわたしの問題だから我慢できます。
でも沢城くんは違います。
沢城くんは意味もなく、自分のせいで大切な人が傷ついたことにとっても悲しんでました。
だから、謝ってください」
決して声を荒げることなく、冷静で、静かなその言葉が、校舎裏に響く
「…何、あんた、自慢?」
眉間に皺をよせ、明らかに不機嫌になった一人が、殺気立つのがわかった
隣にいたもう一人も、それを感じたのか、どことなく不安そうな面立ちでそいつを見ている
ひなのはそれに気づいてるのか、それでも負けじと続ける
「自慢じゃないです…。わたしは、沢城くんの大切な人で、わたしも、沢城くんのことがとっても大切で…だから…」

