ひなのはそれだけで、もういいよーとか言ってたが、そんなダメだ




ひなのを傷つけたやつをコテンパンにしてやるまで気が済まない




それに沢城のやつだって、まったく何も動こうとはしない




ひなのの意向に従っているのか、それとも今度何が遭っても守り抜く自信があるのか




…それか、わたしが一人で躍起になっているだけかもしれない




そんなことを考えながら空になったゴミ箱を抱え、教室に戻ろうとしたとき




近くから誰かが言い争っている声が聞こえてきた




なに、喧嘩?




声からして女子同士の喧嘩だが、ぶっちゃけて言って男子よりも女子の喧嘩の方が数倍もやっかいだ




腹の中に何隠してるかわからないからね




早いところここから離れようとしたが、聞こえてきたその声は、よく知っているあの子の声だった





「…します!!謝ってください!!」




「だーから!!しつこいんだよ、お前!!」





えっ…、もしかして…




校舎に戻ろうとした足を止め、わたしは声がしたほうに向かう