沢城昴流の人気を甘く見ていたというか、綿子の証言で二人組の派手目の上級生が怪しいということはわかっているのだが、何せそういうやつは学校に大量にいる




六条宮の生徒数は市内でも群を抜いてるし、一々それっぽいやつらに確認を取るのもかなり時間がかかる




このままではひなのにまた被害が及んでしまう




今回は階段から突き落とされたというのに目立った外傷もなかったからいいとして、これからもっと酷いことをされないとは限らない




そうなる前になんとか釘を打っておきたい




犯人探しにやっきになっているわたしとは対照的にひなのはのほほーんとしていた




まじで自分の置かれた状況がわかっているのかよ、この子は




と心配していたが、ひなのはひなので色々考えていた






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ひなのが学校に戻ってきてから数日後の放課後




わたしは掃除当番で、ごみを捨てに校舎裏の焼却炉へと向かう途中だった




今はまだひなのを虐めていたやつらがひなのにちょっかいを出してこないからいいものの、そろそろ見つけ出さないと




あの日、沢城の階段での脅しが効いたのか、あれからひなのへの嫌がらせはぱったりと止まり




無くなっていた上履きの片方や、教科書が無事に戻ってきていたらしい