わたしがひなのと初めて出会ったのは幼稚園のときだった




ひなのはその頃から人一倍小さく、呑気で、いつもどこか気が抜けていて




少しでも目を離すと、必ず迷子になって、世話が焼ける子だった




それでも、ひなのは強い子だってわたしは知っている




本人は気づいてないみたいだけど、きっと誰よりも強い




もちろん肉体的ではなく、精神的強さ




体は誰よりも脆いから、だからわたしが守っていかなきゃって思ってたけど




ひなのはやっぱり強い子だった






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ひなのが階段から転げ落ちたあとの数日、ひなのは大事を取って休んでいた




久しぶりに登校してきたひなのはいつもと変わらずにこにこしていて




泣きながら謝っている華南たちに何度も謝罪をしていて、あの日わたしが帰った後に沢城が何かをしたのかとてもすっきりした表情をしていた




もうこれでいつも通り…っていうわけにもいかず




わたしは今、ひなのを虐めていたやつらの特定をしているのだが、これが中々やっかいだった