さっきまで寝ていた沢城くんが何かの拍子で起きてしまった




いつもなら起きた直後はぼーっとしているが、今日はわたしの顔を見た瞬間、目を見開き、体を詰め寄らせてきた




いきなり沢城くんの綺麗な顔がドアップで目の前にあり、胸がドキドキしてしまったが、彼の顔はどこか切なげだった




まるで壊れ物を扱うように慎重にわたしの頬に触れると、何かを確かめるようにわたしの顔を手で覆った




「よかった…先輩、起きてくれて…本当によかった…」




わたしの肩に顔を埋め、弱弱しく呟く沢城くんの頭を撫でる




「大袈裟だなぁ、沢城くん。わたしは大丈夫だか…ら?」




両肩をいきなり掴まれて、上を見上げると、珍しく眉を吊り上げ、沢城くんは怒ってるように見えた




「大丈夫じゃ、ありません!!全然大丈夫じゃありません!!」




「さ、沢城くん…?」




声を張り上げる沢城くんに吃驚していると、沢城くんはぎゅっとわたしの肩を掴む力を強めた





「先輩、階段から突き落とされたんですよ?しかも、ずっと嫌がらせを受けてたって…、俺が原因なのに…なんで今までずっと黙ってたんですか?」




まっすぐわたしの目を見て、真剣な彼の言葉に、わたしは胸が痛くなる