保健室に着くと、既に噂で事態を把握していた先生がベットを用意して待っていた




ひなの先輩をそこに寝かしつけた後、色々事情を聞かれたが、何も知らないため首を横に振ることしか出来なかった




授業開始のチャイムが鳴り、授業を受けに教室に戻るかと聞かれたが、その質問にも首を振った




俺の答えに先生も責める様子はなく、しっかりと見てやれよなと肩を叩かれ、用事があるらしく保健室から出ていくと同時に佐久間先輩が入ってきた




部屋に入ってくるなりひなの先輩に駆け寄り、まだ意識が戻っていないことに落胆したが、目立った外傷はないと知り、安堵の表情を浮かべる




近くにあった椅子を持ってきて、ベットの横に座ったところを見ると、どうやら先輩も授業には出ず、ここに残るらしい





暫くの間は沈黙が流れていたが、それを破ったのは佐久間先輩だった




「…わたし、先週ずっと風邪で休んでたんだけど、ひなの、何か変じゃなかった?」




「…はい。変というか、なんか無理して笑っているような…」




そう質問に答えると、佐久間先輩はやっぱりと呟いた




「さっきね、教室に戻った時、華南…クラスの子たちが泣きながら謝ってきたの。ひなのがずっと口止めをしてたらしんだけど、この子どうやら沢城絡みで結構嫌がらせされてたみたい」




ドクンと胸が鳴る