「…ひなの先輩?」




横たわる小さなその人は、どこからどう見ても俺の愛おしいひなの先輩で胸の動悸が一層高まる




なんで?




なんで先輩が?




やっぱり何かあったんじゃ…




でも先輩は大丈夫だって笑って…




嘘、ついた?




色んなことが頭の中でぐちゃぐちゃになっていく




今も目の前で佐久間先輩が必死にひなの先輩に呼びかけるが反応はない




騒動を聞きつけ、次々と野次馬が階段の踊り場へと集まって、ざわざわと騒がしくなってきて、茫然と突っ立ていたままの俺は我に返った




…早く、早く先輩をここから…




佐久間先輩も同じことを考えていたのか、意識がないひなの先輩の腕を自分の肩に回していた





「佐久間先輩」