「確かに沢城昴流の告白が教室の前ってのは大胆だったけど、あの場にいたのは殆どがうちらのクラスメートだったし、そのあとも二人が付き合っているだなんて思っている奴はいないだろう。あまりにも恋人らしい行動をしてないからね」
た、確かに沢城くんといつもそういう、恋人らしい何かをするときはいつも周りには誰もいなかった
咲綾ちゃんの言葉にも納得したわたしは、ふとあることに気付く
「あれっ…?てことは、あの、もしかして先週の球技大会のあれで…わたしたちが付き合ってるって知った生徒も多いってこと?」
確認のために聞くと、三人は今更気付いたの?!と言いたげな呆れ顔をわたしに向ける
「知ったも何も、あの騒動は今や生徒の間だけじゃなくて先生たちにも噂されているレベルのものだよ?」
「彼氏にしたいナンバーワンの沢城昴流に彼女がいたのはもちろん、そのあとの青春映画みたいな逃亡劇は全女生徒、ううん学校中の人間全員に衝撃を与えたわ」
「わたし、あの時その場にいたけど、本当に映画を生で見ているみたいで胸がきゅんきゅんしたなぁ。あそこでキスするかと思いきや、いきなりひなの腕引っ張ってその場から連れ去っちゃうんだもん。いいなぁ~、わたしも一度はそんな経験してみたいなぁー」
ぽわわんと目をうっとりさせながらそう語る綿子ちゃんの話に、他の二人もうんうんと頷いた
わたしはそのことのことを思い出し、思わず顔を赤らめる
まさかそんなことになっていたとは…知らなかった…
「ぶっちゃけ、二人はどこまで進んでいるの?」
「へっ?」
「あの時、ご褒美にキスを求めてきたってことは、もうキスは済ませてるってことだよね」
「えっ、あの…」
「もうそれ以上のことしたの?!」
「その…」
話の論点が完全にずれ、三人の質問攻撃にわたしは一人、あたふたとさせていた
あれっ?おかしいな、あれ?
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