【完】『いつか、きっと』

西陣に帰ると、

「診断どうだった?」

エマが口やかましく訊いてくる。

「なんともなかったで、ストレスちゃうかって」

衝撃が大きかったのが嘘のように、陽気な笑いすら交えて翔一郎はエマに返事をした。

が、

「翔くんってば、嘘ついてるでしょ?」

「…んなアホな」

どういう訳かエマには勘の鋭い面がある。

「分かるんだよ翔くん」

少し睨んだ。

内心の動揺を見破ったエマは、

「どうなの?」

と、翔一郎の真の容態を知りたがった。

「しゃーないなぁ…」

しぶしぶ翔一郎は脳出血の痕がある診断の結果を打ち明けた。

エマは、

「ほらやっぱり、何かあると思ったんだ」

脳出血ってのはショックだったけど、とエマは付け加えた。

「翔くんが突然いなくなるのが、あたしはイヤなだけなの」

うちらはいつでも一緒なんだから、もう少し困ってることも話して欲しい…それが、エマの偽らざる本音であった。