【完】『いつか、きっと』

何日か過ぎて。

来月には出発を控えた月曜日、日曜教会の翌日が教会は休みというのを利用した写真撮影は、朝早くから行われた。

ポラ撮りからサクサクと、翔一郎は撮ってゆく。

「悪いけどベール直してんか」

翔一郎の指示でエマが愛のウェディングドレスを直したり、ブラウンのフロックコートを直したりしてゆく。

「ゆくでー」

連写でどんどん撮る。

ツーショットの写真と、薫子とジャックが加わった四人の写真と、合わせてフィルム二本近くを使って撮影は済んだ。

所要時間にして、約一時間足らずである。

「饗庭さんは仕事が早いですね」

ブラウンは感心したような風で、

「イギリスのカメラマンじゃ、一日がかりです」

「ほな東京と同じやん」

イングリッシュジョークで笑わせると、翔一郎は素早く関西式で切り返してみせた。

「まだ京都やからのんびりやけど、大阪ならまぁまぁ五分や」

これにはブラウンも大笑いした。

「まるでビッグサイズのカップラーメンじゃん」

エマが言うと愛まで笑った。

帰途。

エマの突っ込みを思い出したのか、

「エマもようやく、突っ込み出来るようになったんやな」

ちょっとエマが関西に馴染んできたのが、翔一郎には嬉しかったらしい。

ちなみに。

写真は出発日の二日前、

「出来たでー」

と、ブラウンと愛の元へ手渡された。

すでに九月である。

柔らかい雰囲気で撮られてあって、その仕上がりのよさに、

「たまには饗庭さん、人間撮らなきゃダメですよ」

ブラウンは翔一郎の痛いところを衝いて、ほどなく機上の人となった。