【完】『いつか、きっと』

数日ばかり過ぎた頃、

「知り合いの教会が撮影を許可してくれました」

というブラウンからの連絡があった。

「おかしいな?…教会って話はしてへんけどなぁ」

不思議そうな顔で翔一郎は首をかしげた。

が。

次第に仔細が分かってきた。

ブラウンの英会話の教室に通う、イギリス人の園児の通園している幼稚園が、英国系の教会がある幼稚園だったのである。

「親御さんの紹介で、使わせてもらえることになりました」

どうやら在日の英国人には英国人なりに繋がりがあるらしい。

そこで。

下見に翔一郎は出向いた。

地図通りにバイクを転がすと、二条城の森を西へ曲がった聚楽廻と呼ばれる辺りに、その教会はあった。

「へぇー、…二条城のそばに、こんな古い教会があるとは知らんかったで」

昭和初期に建てられた木造の教会で、しかし翔一郎は聚楽廻の界隈はテリトリーではない。

知らないのも仕方がない。

だが。

エマは知っていた。

「私が出た通信制の高校の近くだからね」

そういえばエマの母校は、二条城のそばにある。

「翔くんのことだから知ってると思ってた」

みやこびとの都知らず、とはこうしたことをいうのかも分からない。