「え…うそ……やだ…!!」
ー5分前ー
私には、不運な事に両親が海外旅行好きな為
ほとんど家にはいない。
「心愛ちゃん、ほんとに一人でいいの?」
そう聞かれても 幼かった私は
両親が仲良かったのが嬉しくて
いつも「平気だよ!」と
言ってしまう。

でもある日「今回はすっごく遠いとこいくの。半年は、戻れないの。だからこれをママとパパだとおもってね」
そう言って小さな箱と私を置いて家を出た。

小さな箱にはサボテンが入っていた。
もともと 植物が好きだった私はとても喜んだ
それから2年たった今でも両親は帰って来ない。
それでも未だに家に帰ると真っ先にベランダへ。
雨の日も嵐の日もずっとそばにいた。

辛いことも楽しいことも全て聞いてくれた。

なのに…なのに…
サボテンが…茶色く変化していた。
「サボキチ…サボキチ!!」
原因は家の前に大きなビルが
たってしまって日が当たらなくてかな。

「いってきまーす」

弱ったサボキチを後にし
重たい気分は取れないまま学校へ行く。

「心愛っー!おっはよーう!」
「痛っ」
後ろからぶつかってきたのは、親友の真実。
元気だけが取り柄←嘘
真実「なーに!元気ないじゃん!」
靴箱に靴をしまっていた私は、
話そうと、「実はね…」

ザワザワ
「きゃーっ!!!♡」
ザワザワ
「え、何(笑)」
女子の黄色い声が廊下一杯
響きわたっている。
騒がしいなあ

真実「あ、今日転校生来るんでしょ?
それかな?てことは…
イケメンなのかーーー!♡」
「はぁ…」
全然興味ない。
自分本当に女子か?と思うくらい
男の子に興味ない(笑)
てか、サボキチの話は…

…って。え、ちょっとまって!?

女の先生まで、キャーキャー言ってる!?

あ、わかったかも。
校長の子とか?
媚売りたいんだろーね

いつの間にか居なくなった真実に気づき
一人で教室へ向った

ガラガラ…(ドアの音)

え、まぢすか。
教室に男子数人て…

男子にまぎれ静かに席に座る

ー数分後ー
キーンコーンカーンコーン…

ザワザワ…
一気に女子が入る
うるさー…
せっかく寝てたのに

「かっこよかった♡」
「私狙っちゃお」
「どこのクラスに来るのー!!」
口々にいう

真実「心愛ーっ!
噂のイケメンくん見れなかったー(泣)」
「知らないよ(笑)それよりサボキチの話…」

ガラガラ…(ドアの音)
先生が入っても騒がしさは止まない

先生「しーずーかーにー!」
ザワザワ…
みんな朝から元気だな
もともと頭がさみしい先生は、
無視されて1段と寂しそうだった。
先生「まぁ、いい(泣)
えー、みんな知ってると思うけど
転校生が来ましたね、
このクラスに来てもらうことに
なったからみんな…「キャーーーーーーー♡」

だーかーらー、うるさいってば

先生「ささ、入ってください!」
え、敬語?(笑)
やっぱり校長の子どもね

ガラガラ…(と)
「キャーーーーーーー♡」

「うるさいな…どうせたいしたこと……うそ…」

ーこの瞬間から私の世界は一転したー