『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

絶対に行く先は渋谷か六本木だ、クラブか? それともキャバクラか? もしバレたら大変な騒ぎになる。


未成年のアイドル芸人が夜遊びだなんて、絶対にNG!


追いかけながら、向島先輩に電話を入れる。


「向島先輩! 2人が脱走しました! 」
『今、行く! 』


マンションの玄関前で合流し、どこを探すか相談した。


「きっと、あの子達の事だからタクシーを捕まえて行ったに違いない」
「でも、まだ数分しか経ってません、大通りに出てタクシーを捕まえる前に! 」


2人で大通りに向けて走り出す、が、向島先輩は足が非常に長いため、どんどん先へ行ってしまい、見えなくなる。


この時ほど、己の体重を憎んだ事は無い。


ゼイゼイ言いながら大通りに到着すると、そこでは3人が激しくもみ合っていた。


「帰ろう! 夜遊びなんかさせないよ」
「アホぉ、東京に来たんや、遊ばんでどないすんねん」
「せや」


向島先輩は、それでも負けずに彼らと戦い続ける。


そんな姿すら、素敵に思えてポーッとしてしまうが、あたしも加わらなくはいけない。