『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

お願いですから部屋を片付けさせてくれませんかね、さっきから耳を付けてるその壁際に本棚を置きたいんですけど。


あー、もうどうしよう。


誰か、本当に助けて下さい、お願いします!


「ね、何か聞えるわよ」


一緒に聞けって言うんですか? 


マネージャーとして、彼らの私生活にまで干渉しろと。


恐ろしくて聞けたモンじゃないのに、全く。


ふと、ある考えが頭を過ぎる。


こいつに酒を飲ませれば、さっさと退散してくれるのではないだろうか。


「ちょっとコンビニ行って来るわねー」
「どうぞー」


部屋を出ようと、ドアを開けると万里也と秀一郎が連れ立って部屋を出て行こうとしているのを発見した。


「どこに行くの! 」


米山に聞えないよう、小声でそう問い掛けると、彼らは猛ダッシュで廊下を走ってエレベーターに乗ってしまう。