「心配やわー、なっ、マチコちゃん」
「部長はん、今からマネージャー変えてや」


くっそー、伝家の宝刀土下座すら効かないとは。


「その点なら大丈夫ですわー、東京支社でもう1人付けますから」
「優秀な人なん? 」


部長は、東京支社から届いたマネージャーに関する書類をレイナさんへ差し出す。


中身を見て、2人の顔色がサッと変わる。


「いやー、おっとこ前やわー」
「ツワブキ君に、よー似とる」


見た目重視なんですね、やっぱり。


東京で、あたしがコンビを組む事になったのは、2年先輩の向島さん。


まだ入社4年目なのに、彼が担当した芸人さんは皆、必ず超売れっ子になる。


だから、本社内でもやり手と言われているし、容姿も完璧。


「向島君は、とにかくやり手でしてーどんな芸人さんでも……」
「なら安心したるわ、ほなよろしゅう」
「あんじょう頼みます」


やっと鬼2匹から解放され、いざ、東京へ向かう事になった。