シャングリラに到着すると、すでに後輩の若手芸人たちは飲み始めて大騒ぎ。


「おーっ! 来たぞぉーっ! 」
「敬ターン! 」


蘭子さんは嬉しそうに敬介へ飛びつく、ママは我が子を迎えるように秀一郎と万里也の手を取って、真島さんはクミさんミミちゃんにはさまれて上機嫌。


「またここかいな」
「この間はゴメンなさいねー、いきなりで。さっ、座って」


2人を見張るために、あたしと米山もママの席へ座る。


「いつもウチの娘がお世話になってます」
「どういう意味やねん、それ」
「ごめんね、あの、ママはあたしのお父さんで……」


聞いた秀一郎はメガネを落す、そりゃ驚くよなー。


自分のマネージャーの親が、オカマなんだから。


「大沢、シャレやないやろな」
「当たり前よぉー、さっ、飲んでちょうだいっ」


取り出したのは、深緑のボトルに入った赤い液体。


ワインじゃないでしょうね、ちょっと。