『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

「優勝したら、カリフォルニアに行こう」
「はいな! 」


うわ、公私ともにデキちゃってるな。


「大沢はんも、気張って下さいねー」
「う、うん」


腕を組みながら去って行く2人の背中は、幸せに満ちあふれていた。


もし、あたしがまーちゃ子の担当のままだったらこうは行かなかっただろう。


コンビを組ませるにあたり、考え込んで悩んで、石橋を叩いてぶち壊していたかも知れない。


やっぱり離れて良かったんだ、あたしじゃ……。


いけない、またマイナス思考におちいっている。


今夜は大事な勝負、ここで落ち込むようじゃこの9ヶ月間がムダになってしまう。


気持ちをふるい立たせて、2人と米山をマンションまで迎えに戻った。