『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

「風邪ひくわよ、早く帰ろう」
「せやな、シュウ」
「ほな行こか」


4人でマンションに帰っても、明け方までケイコを続けた。


夕方の生放送まで時間があるので、仮眠を取らせてからあたしは本社に向かう。


今日のスケジュール確認と、2月からの調整をするために。


休暇を与えなくては、秀一郎だって身が持たないだろう。


それに、あたしも昨日、敬介と約束したし。


「えらい精を出しよるな、大沢」


デスクでパソコンをいじっていたら、木村専務に声を掛けられる。


「ありがとうございます、専務」
「今夜、楽しみにしとるで。お前が守り通した、2人の成果を」
「はいっ」


何が起きようと、頭を下げ、時には土下座だってした。


こんなに必死な思いで、彼らを守って来たのは、自分のためだけじゃないんだ。


そう、一流の芸人になってもらわなくちゃいけないから。