『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

「どんな願い事でもいいよ、でも……」
「わかってるよ、困らせたりしないって。一緒に、優勝賞品のカリフォルニア旅行に行って欲しいんだ」


そんな願い事ならいくらでも叶えてあげるよと、手を握る。


「いいよ、もちろん」
「休みを取って、2人だけで」


海外で本当に初めての夜を迎えるのか、うわー、考えたら興奮して来た。


顔が真っ赤になり、思わずほほを手でおさえる。


「あ、鼻血」
「えっ! 」


興奮し過ぎて、彼氏の目の前で鼻血を出してしまった。


「ティッシュつめて、シート倒すよ」
「ごめんー」
「志穂らしいや、ハハッ」


浮かべた笑顔は、あたしだけに見せる本物。


「プレゼント渡すね」
「うん」


渡してくれた物は、ピンク色の頭を付けた小さなロボット人形。


きっと、あたしに見立てて作ってくれたのだろう。


ちょっと体が太めに出来ているのが、何だかシャクにさわるけど。