『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

『アライヴ』で食事を済ませ、車に乗せてもらう。


もちろん、乗車前に怪しい車が無いかどうかチェックをしてから。


「はー、あったかいー」
「コーヒー飲む? 眠いでしょ」
「全然、もう最近眠れなくてさ」


確かに目の下に大きなクマが出来ていて、男前に凄みが加わっている。


「やっぱり、負けたら引退っていうのは変わらないの? 」
「売られたケンカだしね、真島も本気だよ」
「引退したらどうするの、それが心配」
「大学に戻ろうかな、中退したし。それで卒業して、研究者になる」


30でしょ、もう。


いまさら夢を追いかけるなんて、天然らしい発想だけどさ。


「ねえ、志穂」
「何? 」
「勝ったら、1つだけ願いを聞いてよ」


神様か、あたしは。