クリスマスソングが流れる頃、MANZAIーGPの直前に少しだけ会いたいという敬介と共に深夜の二丁目をコソコソと歩く。


ここなら見つかっても、怖くはない。


気の効いたデートスポットなんて、間違っても行けない身分だし。


「寒くない? 」
「寒くないよー、脂肪がコートになってるし」


ウソウソ、本当は脂肪が冷えて寒い。


だから、今日はババシャツを2枚着込み、はいているスカートの下には毛糸のパンツを着用しているのだ、もう1つおまけにガードルも。


「いよいよ明日だなー、緊張するよ」
「だよね、今頃Super ㎡もケイコの真っ最中だよ」


やっと回復した摩理依が大阪から戻って来て、秀一郎は安心したようだ。


人気が一段落して、もうちょっと大人になったら一度コンビ解散をさせて夫婦漫才でもいいかも知れない。