『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

米山いわく、


『元芸人の私から見ても、万里也と秀一郎のコンビではぎこちない。摩理依とならば、完璧だ』


との事。


たぶん、彼らの出る番組を全て録画し、研究し尽くした結果なんだろう。


あー、ストーカーっぽい。


その情熱を自分の芸にも向ければ、今頃『お笑い界の女王』と呼ばれていたに違いない。


「な……、暮れのMANZAIーGPにだけは……」


摩理依の必死な声を耳にし、あたしは決意した。


「わかりました、ただし体が完全に回復するまで万里也君に代わりを務めてもらいます」
「おおきに」


秀一郎はメガネを外し、目をこする。


本当のロミオとジュリエットは、ここに居たらしい。