『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

「だいたい、お兄ちゃんとして妹があんな目に遭ってていいと思ってるの? 毎晩毎晩聞いてりゃ、妖しげな物音立てて。秀一郎も秀一郎よ! いい加減にしてちょうだい」


自分の名前が出た事に対し、秀一郎もメガネをクィっと持ち上げて反論を始めた。


「あれは、単なるケイコや」
「何がケイコよ、腕にアザ作ったり、キスマーク付けるのがケイコだって言うの? 」
「お前、何かカン違いしてへんか? ワシらがそんなんするワケ無いやろ、調べれば分かるけど、摩理依とは何にもしてへんど」


おいおい、この後に及んでシラを切ろうというのか。


怒りの収まらないあたしに対し、摩理依はベッドの上でつぶやいた。


「ホンマに……何にもしてへん、清いまんまやで。オカンと約束したんや、な、秀一郎」
「せや」
「じゃあ、あの道具は何よっ! 部屋中に散らかして」


ローソクやら縄やら、それから、口に出して言えない道具の数々は。