『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

屋上から病室の前に戻ると、いきなりレイナさんにつかみかかられた。


「あんた! 医者にはちゃんと口止めしといたんやろなっ! 」
「し、しましたけど」
「実弾渡したんか? 」


実弾? それはどういう意味でしょうか? 


と、聞き返そうとしたら派手なショネルのハンドバッグから札束を出す。


「早ようこれ持って行き、先生によう言うてな」
「わかりましたー」


口止め料という意味かと理解し、診察をしてくれた先生にそっと渡すと、黙って受け取ってくれた。


やっぱり鬼のレイナさんも、娘は可愛いらしい。


でもいくら秀一郎とラブラブだからと言っても、こんな状況はそう長く続けられないだろう。


大体、体も弱いし、女だといつ発覚するかも分からない。


「あの、皆さんお話があるのですが」


病室の中で切り出すと、全員が血走った目であたしに注目する。


そんなに殺気立たなくても……。