『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

「病院」


こんな時にも一語文なのか、秀一郎は。


「そうよ、病院に行かなくちゃ」
「で、でも収録が……」


今日は、2人そろっていないと話にならない。


大物芸人ヨンマがパーソナリティーの『ヨンマのまんま』の収録、秀一郎1人では難しいはずだ。


「早う」
「秀一郎、1人で出来るわよね? 」
「当然」


そうですか、じゃあ万里也を連れて行きますよ。


急いで他のハギモト芸人さんのマネージャー数名を呼び出し、万里也の体を一緒に運んでもらう。


「軽いねー、この子」
「最近、ちょっと食も細くて」
「ちゃんと管理しなきゃダメだよ、大沢さん。健康管理も仕事の内なんだから」


先輩に言われて、ショックを受ける。


もっと栄養を摂らせてあげれば良かった、食欲が無くても無理に食べさせれば良かった、自分が代わりに食べるんじゃ……。