その言葉を聞いた瞬間、お父さん＆蘭子さんの目の色が変わる。


「クビ？　ちょっとソレ、どういう意味よっ！　」
「娘はね、苦労して苦労してハギモトに入ったのよ、どうしてくれるの？　」
「２人とも、静かにして」


うなだれたままの先輩は、何も話そうとはしてくれない。


こんな目に遭ってまで、どうして。


先輩のそばにしゃがみ込み、肩を優しくさする。


「お願いです、理由さえ聞けば、あたしクビになってもいいんで」
「ダメよ、絶対。敬タンと一緒にがんばるんでしょ！　志穂」
「シホちゃん、こんなヤツに同情なんかしなくてもいい。ね、ママ」
「黙ってて！　ここから出て！　」


自分でも驚くほどの大きな声で２人に注意をし、リビングから出てもらう。


「２人だけになりました、だから」
「志穂ちゃん、本当にこの話を信じてくれるかな？　」


顔を上げた先輩は、きれいな目から涙をボロボロとこぼした。


「泣かないで下さい、お願いです。先輩は、いつもホワイト……」


いやいや、こんな場合にホワイトニングビームとかフザけてる場合じゃないし。