最初の1年は、喜劇の大御所である小池 金魚師匠のサードマネージャーとして働き、2年目に単独で任されたのは、デビューしたばかりのまーちゃ子という女性ピン芸人。
最初から、あたしの名前を忘れたり、命より大事なはずのネタ帳を紛失したりと、かなりのボケっぷりだったが、営業用の靴を忘れるとは……。
ここまでひどいとは思わなかった。
正直言って、綾女レベル、いやそれ以上のボケっぷり。
社会人2年目にして出会った、サポートしがいのある芸人さんだろう。
今度は、あたしのバッグに靴も用意する事と、思わずメモを取る。
「大沢さん、あのー」
「何? 」
移動中の電車で、まーちゃ子がネタ張を広げながら話しかけて来た。
多分、次の営業先のネタをどれにすればいいかの相談だろう。
「次は、ショッピングセンターだし、無難にお母さんネタがいいと思う」
「やっぱ、下ネタはまずいと思いますかー? 」
「放送出来ないネタは、止めて」
ボケにして、危ないネタをたくさん抱える彼女。
例えば
『キタのSM嬢』とか『風俗のキャッチのモノマネ』とか……。
とても日曜の午後、家族揃って仲良く買い物に来ている人たちには見せられないネタばかり。
「と、とにかく大人しいのにしてちょうだいね」
「そうしますわー、おおきにー」
何だかこの笑顔が、綾女に見えて来た。
最初から、あたしの名前を忘れたり、命より大事なはずのネタ帳を紛失したりと、かなりのボケっぷりだったが、営業用の靴を忘れるとは……。
ここまでひどいとは思わなかった。
正直言って、綾女レベル、いやそれ以上のボケっぷり。
社会人2年目にして出会った、サポートしがいのある芸人さんだろう。
今度は、あたしのバッグに靴も用意する事と、思わずメモを取る。
「大沢さん、あのー」
「何? 」
移動中の電車で、まーちゃ子がネタ張を広げながら話しかけて来た。
多分、次の営業先のネタをどれにすればいいかの相談だろう。
「次は、ショッピングセンターだし、無難にお母さんネタがいいと思う」
「やっぱ、下ネタはまずいと思いますかー? 」
「放送出来ないネタは、止めて」
ボケにして、危ないネタをたくさん抱える彼女。
例えば
『キタのSM嬢』とか『風俗のキャッチのモノマネ』とか……。
とても日曜の午後、家族揃って仲良く買い物に来ている人たちには見せられないネタばかり。
「と、とにかく大人しいのにしてちょうだいね」
「そうしますわー、おおきにー」
何だかこの笑顔が、綾女に見えて来た。