出前を待つのももどかしく、お皿を抱えてスタジオへ戻ってみれば、共演者であるピン芸人ヒロセさんとのケンカ。


「そないなネタでけるか! ボケェ! 」
「最悪」
「でも、やってくれないと困るんだよね」


ヒロセさんは大人だ、苦労してここまで上がって来たとハギモト内でも評価されているほどの。


彼が提案したネタが秀一郎のお気に召さなかったらしく、万里也が代わりに食いついていた。


向島先輩は、大御所の出演者へアイサツに行っており、この現場に姿が無い。


このまま見守っちゃおうかな、生温かく。


2人が問題を起こせば、敬介が有利になるし……。


いけない、ダメだ。


やっぱり止めに入らなくちゃ、担当マネージャーとしては。


そう思って、冷やし中華をテーブルの上に置いた瞬間、ヒロセさんの口からとんでもない言葉が飛び出した。