『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

「いやいや、お２人ともキレイだし、難しいですねー」
「難しい？　年齢的には若いし、あたしの方が」
「あっらぁー、私はお店を持ってるし、余裕あるけど」


ママ、あなたには目の前に居る複雑な表情の娘が見えませんか？　それと、晃お父さんの顔が頭には浮かばないのでしょうか？


そんな事を思っていたら、急にママが胸を押さえてソファに倒れ込む。


「マ……ママ！　」


顔色は厚塗りの上からでも分かる位に真っ青、大変だ！


「救急車よっ！　救急車！　」


蘭子さんが叫ぶけれど、ここはお店、入り口から救急隊員を出入りさせるわけには行かない。


「車をお願い！　」


飲酒をしていないウェイターさんに頼み、車を店の入り口に横付けしてもらう。


それから、向島先輩と蘭子さんの力を借りてママを運び出して車に乗せた。


「蘭子さん、お店をお願いします」
「ええ」


目の中のハートマークは、この騒ぎですっかり消え去っているから大丈夫だろう。


「救急病院へ行って下さい」
「はいっ！　」