『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

大事なネタ見せ番組の前日、彼らの両親が激励に東京へ来た。


おかげであたし達2人は自由時間を手に入れられ、つい、お父さんと仲直りをしたくて『シャングリラ』に顔を出してしまったのだ。


店に到着するなり、蘭子さんとママに両脇をホールドされて連行される先輩。


あ、あのー電話で親子ゲンカした娘がね……。


仕方なく先輩をオカマの毒牙から守るために、3人の席へと向かう。


「カンパーイ、また来てくれてありがとう。あたしのためにー」
「アハハハ」
「何言ってるの蘭子、私のためでしょっ」


お2人さん、いいですかー? 先輩には、足の大きな彼女が居ますよー。


盛り上がる2人、先輩も売り出しに成功した開放感から、バンバン飲んでいる。


「ねー、あたしとママどっちがイケてる? 」
「蘭子、私に決まっているでしょ」
「どちらも素敵だし、困りますねー」


ソツのない返事、しかし厚かましいオカマがそれで許すほど甘くは無い。


「どっちー? 」
「はっきりしましょ蘭子、この際。負けたら方が手を引くって事で」


怖いでーす、誰か助けて下さい。


クミさんミミちゃん、笑ってないで、頼むよ。