『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

翌朝、2人を学校に送り届ける間、万里也の様子を確認した。


何だか顔色が良くない、やっぱり昨日のあの声が気になって来る。


「万里也君、調子が悪いんじゃない? 」
「気にすんなや、ボケェ! 」


言葉はいつものように悪いけれど、どことなく弱弱しく聞えた。


何か秀一郎との間に、あるんじゃないんだろうか。


手首のアザだってまだ治ってないし、それに目の下には大きなクマも出来ている。


夕べ、隣で何が行われていたのだろう。


乗越に到着し、降りて行く彼らの後姿を見ていると、急に万里也がよろけ、秀一郎はカバンを放り出して体を受け止めた。


コンビ仲は悪くない、幼なじみだけあって、むしろいい方だし、同居していてもケンカの音すら聞えない。


でも夕べは違う、部屋に妖しげな空気が漂っていた。


デキているという事だろうか、やっぱり。