『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

「大丈夫ですか? 顔が真っ赤ですけど」
「あっち行けや、用は済んだやろ」


手を振り払った時、パジャマのそで口がチラッとめくれる。


そこには、赤く変色した何かの筋があった。


「あの、万里也君……」
「やかましいわボケェ! 」


鼻のすぐ先で音を立てて閉められるドア、かなりあせっているようだ。


自分の部屋に戻る前に、今日もらったばかりのセンサーを装着する。


ホンキで壁と同系色のスプレーも買ってあるので、すぐに姿を隠す事が出来た。


これで、夜中の見張りからも解放される。


まあ、米山の盗聴からは解放されないだろうけれど。


取り付けが終わった所で、自分の部屋に戻ろうとすると、ドアの向こうから何かをガタンと落す音が聞えた。