『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

やっとの思いで待ち合わせ場所に走り、周囲を用心深く観察してから車に乗り込んだ。


ああ、いつまで続けなくちゃいけないんだろう、こんな事。


結婚すれば楽になるのかな、でも仕事はそれなりに……。


「じゃあ行くよ」
「うん」


目立たないようにと、敬介は最近車を変えた。


国産車でおまけに、めちゃくちゃ一般的なワンボックス。


あたしのためにそこまでしてくれる彼氏に対し、このままでは何かマズいような気がする。


「ねえ、敬介。結婚の話だけどさ……」
「うん、まあいいよしばらくは。実家の親にも紹介してないし、その気があれば別だけど」
「実家の親かー」


お父さんはオカマ、両家顔合わせとなったらどうなるんだろう。


非常に嫌な予感がして来る。