『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

久しぶりのキスをして、甘い世界に浸っていると、仕事用の携帯が震える。


また何かあったんだ、これは。


「はい、大沢です」
『志穂ちゃん、今、どこ? 』
「マンションの近くですよ、先輩」
『あのさ、今からホンキホーテで買い物を頼みたいんだけど』


先輩は来客中で出られないから、あたしへお使いを頼んでいるのだ。


「何を買えばいいんですか? 」
『プラ製の細い鎖を10mと、シルバーのスプレーに、後……』


言いにくそうな先輩、何だろう残りは。


『手首に付ける拘束具って言うのかな、ほら、革とかで出来た』
「あー、よくSMとかで使う」
『そう、手首用と足首用を2つずつ』


まさか、キスだけでは飽き足らず、今度の『Mスタジオ』でSMショーでもしようというのだろうか。


大体、領収書でオチるのか、それは。


『ついでに夜食用のカップ麺と、DVD-Rも』


発注者が分かるな、そのオーダー。