『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

はい、万里也の不機嫌メーターが急上昇。


秀一郎は、メガネの奥に静かーに怒りをたたえていますよ。


「なあ、ええか? 」
「ん」


いつもの合図です、はいダメーっ!!


しかし、今日はここで負けていられない。


とにかくこの場を鎮めないと、店の中でモメるのはよろしくない。


「ま、まあ、落ち着いてちょうだい。ここはお店の中なのよ、大人しくしてないと、また米山さんの耳に入るから」


『米山』という単語に、ビクっとする万里也。


だけど、秀一郎の表情は全く変わらない。


弱みを握られているのは、万里也の方みたいだ。


「さー、お食事お食事。マージナルさんもどうぞー」


よし、この場は何とか押さえた。


安心してトマトソースのスパゲッティを口へ運んでいると、向島先輩が到着する。