『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

「なあ、これって新宿二丁目と違うか? デブサイク1号」
「そうですよ」


あたしがデブサイク1号なら、あんたはさしずめ『小鬼2号』だろう。


「ええなー、夜、遊びに行きたい」
「飲み屋ばっかりです、バレたら謹慎どころじゃなくて、確実にハギモトもクビになりますけど」
「別に」


構わないんですね、小鬼1号様は。


そりゃあそうでしょう、編入試験でブッちぎりの1位を記録し、普通科の特進コースをすすめられたほどのオツムをお持ちですから。


クビになったところで、またどこかの高校にもぐり込んで、K大とかT大に入って、エリートコースを進めばいいんでしょう。


それじゃこっちは済まないんですよ、クビになったら跡継ぎor結婚なんですからね。


『アライヴ』に到着し彼らを先に店へ入れて、向島先輩に連絡を取る。


「今、到着しました。いつ頃、合流していただけますか? 」
『もうすぐだよ、今、四谷だし』


律儀な事に、先輩は地下鉄で表参道にあるジャッキーズまで謝罪に行ったらしい。