『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』

可愛くない、モテない、ダサいの三拍子。


お笑いに走るしか無かったよ、学校の中で。


まあ、前が相当不幸だった分、今が凄く幸せなんだけれど。


並み居る美男美女を見ていると、ドアがノックされた。


「ちょっとぉー開けてぇやー」


ご挨拶を終えた鬼が2匹、浅草の雷門の中に居る像のように仁王立ちをしてこちらを見ている。


「はっはいぃぃ」


ドアを開けて乗り込んだ彼女達は、後部座席でメイク直しを始めた。


朝、会ってからまだ2時間も過ぎていないのに。


「いややわー、シワが出来てるぅー」
「もう40やし、あきらめな」
「マチコちゃんなんか、シワとシミやしねぇー」
「余計なお世話じゃ! 」


普段の会話がもう漫才、これを聞いて育てば誰だって漫才師になれる。