「あの……?」 「心配ない」 古びたアパートに入ることに、少し怯えてるようだ。 それもそうか。 「テツと借りてる部屋だ。そのまま帰れないだろ」 納得したように、西川アユムがうなずいた。 ガチャ― 「出かけてんのか?」 返事がなかったため、押入れを確認した。 スーツが一着ない。 「手に入れに行ったようだな」