「……っ!!」 パリーンッ どうしても。 どうしても俺は動けなかった。 チャンスだったのに。 目の前で怯える女が、これ以上ないほどに美しかったから。 少しの迷い、瞬間聞こえた、ガラスの割れる音。 逃げてどうする。 「……くそっ」 ガチャッ― 「おや。失敗か?」 ドアを開けるとテツが笑って言った。 「うっせー」 「復讐なんて古いよ?」 分かってる。 そんなこと――