「おかえり」

キッチンで、あたしの待ち焦がれた人が微笑む。

その姿は涙が出るほどに、懐かしい。

まだ信じられずにいると、

「アユム」

名前を呼ばれた。

「どうして……」

「約束、したから」

「……ワタルっ」

靴も脱がずに、あたしはその胸に飛び込んだ。

くすっと笑って、頭を撫でる大きな手は変わっていない。