リョウ兄ちゃんが突然、あたしを壁際に押さえつけた。 な、な、な、なんですか…… 「誰か来た」 ひそっと、そう言ってゆっくりわき道の様子を窺った。 「男?」 「ああ」 「フードは?」 「ない」 なんだ。 違う。 「何やってんだ、あの男」 「……?」 あたしも壁から離れて、そっと覗き見ることに。 「あっ」 思わず声が出た。