「今日、親、旅行でいねえんだ。ちょっとウチ来る?」


えー!って叫びそうになったけど、抑えた。


「あ、いいの?少しお邪魔しようかな?」


なるべくクールに答えたわたしの心臓は、本当に破裂寸前。


ナカジ君の家に行く?ってことはナカジ君の部屋に入るの?
ナカジ君が朝起きて、夜寝てる部屋に?
嘘、嘘、それってもしかして…


初キスかあっ?


ナカジ君の家はオートロックのお洒落なマンションで、お家の中のリビングなんかもイケアみたいな感じですごくセンスが良かった。


ナカジ君の部屋に入った。シンプルな本棚と学習机、そして…青いチェック柄カバーのシングルベッド。


ネクタイを緩めながら、照れ臭そうに言う。


「母親がインテリアの仕事してて。家の中が散らかってるとダメなんだ…ちょっと待ってて。飲み物持ってくるから」


ナカジ君の匂いがする……


わたしは胸いっぱいに息を吸い込んだ。

あ、あのハンガーのジャケット、この間のデートの時着てたやつ…
あのワンショルダーのバッグも見覚えある。

この空間は、ナカジ君そのものなんだ…


部屋に取り残されたわたしは、ふらふらとベッドに歩みより、フレアスカートのまま、上に乗っかる。

ベッドが少しギシギシと音を立てた時、わたしは、キスよりもっと、すごいことしたい!と思った。