「周様は臆病になってるんだよ。自分が不器用なことを半端に自覚してるから」
「…陽司さん?」
「言ったろ、あの方は愛されてる癖にそれに気付かず、愛することが下手くそなんだよ。君は逆に、愛することは上手なのに愛されることに鈍感だ。全く、二人を見ていると焦れったくて仕方ないよ」
陽司の手に両手を掴まれ、傍に引き寄せられる。
「きゃ…っ」
よろめいた愛梨が困惑して陽司の顔を見上げると、陽司はやんわり微笑みながら愛梨を抱き止めた。
「だからこうして俺に君を横取りされても、周様に文句は言えないんだ」
「ようじくん、だめーーーっ!!」
突然割って入ってきた幼い叫び声に、思わずびくりと肩が震えた。
「京くんっ?」
視線を落とすと、京が陽司の上着の裾を必死で引っ張って愛梨から引き離そうとしていた。
「あいちゃんはぼくの母さまなんだから!ようじくんにはあげないよ!!」
「京様、貴方も聞いてたでしょう?周様が俺の好きにしていいって言ったんですよ」
陽司の言葉に京は少し怯んだが、ふるふるとかぶりを振った。
「でもっ…父さまはあいちゃんのことがっ……」
「え?」
周さんが、わたしを…?
京の声は泣き出しそうに震えて、良く聞き取れなかった。
「…陽司さん?」
「言ったろ、あの方は愛されてる癖にそれに気付かず、愛することが下手くそなんだよ。君は逆に、愛することは上手なのに愛されることに鈍感だ。全く、二人を見ていると焦れったくて仕方ないよ」
陽司の手に両手を掴まれ、傍に引き寄せられる。
「きゃ…っ」
よろめいた愛梨が困惑して陽司の顔を見上げると、陽司はやんわり微笑みながら愛梨を抱き止めた。
「だからこうして俺に君を横取りされても、周様に文句は言えないんだ」
「ようじくん、だめーーーっ!!」
突然割って入ってきた幼い叫び声に、思わずびくりと肩が震えた。
「京くんっ?」
視線を落とすと、京が陽司の上着の裾を必死で引っ張って愛梨から引き離そうとしていた。
「あいちゃんはぼくの母さまなんだから!ようじくんにはあげないよ!!」
「京様、貴方も聞いてたでしょう?周様が俺の好きにしていいって言ったんですよ」
陽司の言葉に京は少し怯んだが、ふるふるとかぶりを振った。
「でもっ…父さまはあいちゃんのことがっ……」
「え?」
周さんが、わたしを…?
京の声は泣き出しそうに震えて、良く聞き取れなかった。

