架々見は足元の悠梨に見下すような視線を遣りながら、愉しげにくすくすと笑った。

「霊奈の若造が腑抜けてくれたお陰で潜入が随分と楽だったよ…奴には感謝しないとな」

「っ周さんは、腑抜けなんかじゃない…!!貴方よりもずっと立派な人よ!!」

勢い良く噛み付くと、途端に架々見は不快そうに眼を細めた。

「口の聞き方に気を付けろ、愛梨。兄の命運はお前次第でどうとでも変わるのだからな」

「えっ…?!」


 + + +