人知れず、夜泣き。

 
 「はい、美味しーい」

 当たり前の様に美味いな、木内の料理。

 「良かった良かった。 足りなかったらまた茹でるから言ってね。 明太子もまだあるし」

 木内が、遠慮もなくバクバク食うオレを嬉しそうな目で見た。

 「じゃあ、今と同じ量茹でて。 オレ、もう1周出来るから」

 全く気を遣う事もなく、さっき料理を終えたばかりの木内をキッチンに向かわせる。

 でも、木内は嫌がる事もなく、むしろ喜んで戻って行った。

 だって、美味いぜ。 まじで美味いぜ。

 スープもサラダも美味いぜ。

 「木内さーん。 スープとサラダのおかわりあるー??」

 パスタを茹でる木内の後ろ姿に催促。

 「スープはあるけど、サラダがない。 とりあえず、ワタシのヤツ食べてて。 手付けてないから大丈夫だよ」

 「それじゃあ、木内さんのがなくなるじゃん」

 オレ、なんか意地汚いヤツみたいじゃん。

 「いいよ。 橘くんの食べっぷり見てるほうが楽しいし」

 木内がそう言うなら遠慮なく。