人知れず、夜泣き。


 
 「・・・ところで木内さん、荷物が大きすぎてとても徒歩では運べません。 ここはひとつ、タクシーで帰りませんか??」

 どうにもこうにも、食器セットがやっぱりデカイ。

 しゃがみ込んで『歩けない』を猛烈アピール。

 「・・・まぁ、臨時収入入ったし。 タクシー使っちゃいましょう」

 木内がさっき折りたたんだお札をヒラヒラさせて笑った。

 臨時収入って・・・もともとそれ、木内のお金じゃん。

 タクシー代くらいオレが出そうと思っていたけど、木内に甘えようかな。

 だって、オレが出そうとするとまた『なんで橘くんが払うの??』って、さっきみたいな面倒なカンジになりそうだし。

 「よろしくお願いします。 木内お姉さま」

 『ペコ』っと頭を下げてみせると、

 「任せなさいな♪」

 と、木内がオレの頭をくしゃくしゃと撫でた。

 ・・・何かちょっとドキっとしたりして。