人知れず、夜泣き。


 「木内さん、店員さんにも他のお客様にも迷惑だから、先に精算しよう。 話は後で聞くから」

 『本当にスイマセン、続けて下さい』と再度店員さんにお願いすると、店員さんが苦笑いをしながらカードを切った。

 オレも苦笑い。 正直、喜ばれると思ったのに。

 木内はというと、オレのした事が相当ムカついたのか、オレをレジに残して何処かに行ってしまった。

 ・・・オレのした事は、余計な事だったのだろうか。

 精算を済ませ、出入り口付近で木内を待っていると、木内が小走りでオレの元にやって来た。

 「ハイ。 さっきのお会計のお金」

 そして、お金を差し出す木内。

 木内は、ATMにお金を下ろしに行っていたらしい。

 木内はどこまでもお金にキッチリしている。

 「いらない。 引越し祝いって言ったよね??」

 差し出されたお金を押し戻す。