人知れず、夜泣き。

 
 「買い忘れない?? 大丈夫??」

 木内、しっかりしてそうでそうでもないから、一応確認。

 「うん。 ない。 ・・・ある!! 包丁!! 包丁も100均じゃダメだ!!」

 木内が、漫画で良く見る『ハッ』とした顔をした。 ・・・何、ちょっと面白しろいんですけど。
 
 てゆーか、料理好きなくせになんで包丁忘れるんだよ、木内。

 「オレ、鍋とかレジに預けてくるから、木内さんは包丁選んでて」

 『鍋とフライパン、パス』と木内に手のひらを出すと、

 「うん。 ごめんね。 ありがとう」

 木内はオレに、手に持っていたものを預けると、パタパタと包丁売り場へ走って行った。

 どうせ色んな品物に目移りして、決めるのに時間かかるくせに、つまらなそうにしているオレに気を遣って急いで包丁を選びに行く木内の背中を、『なんだかんだイイヤツなんだよな』なんて思いながら眺めてから、フライパンと鍋と食器セットを預けるべく、オレはレジへと移動した。

 木内のアパート、駐車場ないだろうし、荷物もあんまり無いってっていうから電車で来てしまったが、車使えば良かった。

 食器セットがやけにデカイ。