人知れず、夜泣き。

 
 「100均ナメんなよ。 そして、ワタシの料理は立派なお皿で食べなきゃいけない様な高尚なものではない」

 『はい、フライパン決定ー。 次はお鍋でーす』と木内が、鍋のコーナーへとオレの背中を押す。

 「あのさ、オレ、フライパンとか鍋とか違いが分かんなくて、ハッキリ言ってつまんないのね。 見るだけだから食器コーナー行かせてよ」

 大の男が女に背中を押されたくらいで動くわけもなく、お鍋コーナーになど全く行く気がないオレは1歩も動かない。

 そんなオレに木内が、おもちゃ屋に入った子どもに言い聞かせる母親みたいに、

 「見るだけだよ!! 買わないよ!!」

 と諭す様に言ってきた。

 ・・・どんな扱いしてくれてんだ、木内。

 でも、とりあえず暇なので、

 「はーい」

 ここは素直に返事しておく。